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初陣編_伍
翌朝、鏡の車に乗って部屋を出る。
混雑した下道を嫌ったのか、鏡はすぐに高速に乗った。
ポルシェが静かなエンジン音を鳴らしながら
下道よりよほど空いている名古屋高速を走る。
鏡の運転はとても丁寧で上手だ。
車線変更の時すら、私の体が揺れないように静かに加速する。
左ハンドルの車には初めて乗ったが
運転に慣れた様子で違和感もない。
あまりに穏やかな運転のため
一気に襲い来た疲労感から、ウトウトしてしまうほど・・・
鏡は前を見たまま、寝て良いよ、と言った。
その声音も、運転も・・・全てが暖かくて、ホッとする。
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