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さて、映画の話をもう少し。
敗戦によってGHQの占領下に入った日本ですが、
表向きは表現の自由を標榜する一方で、
総司令部情報頒布部というのを作りまして、
ソコの映画係が映画指導を行います。
有名な話では、
GHQの占領下では「忠臣蔵」といった
チャンバラ劇を作る事が出来なかったと言う話がありますな。
またキッスの場面に関してですが、
大映の木村恵吾監督なんかは、
担当官のトップのジョージ・ガーギーという人が
「日本映画では相愛の男女が何故接吻をしないのだ。
接吻なしの表現では相愛の仲が不明では無いか。
愛する男女は当然、接吻すべきである」
と言われたそうですな。
まさに180度の方向転換。
映画人は大いに戸惑ったそうです。
もしかすると、現在の我々の倫理も、
ある日を境にがらりとかわってしまう事が
あるかも知れませんなぁ。
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