初陣編_漆

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  佐野はぼんやりととんでもないことを呟く。 「彼の速度で物を考え、 対等に話すことが出来る人がいれば、きっと、 あんな風に苛々しないで済むし、もっと可能性を広げられる。 ・・・。 ましてや、リストラの憂き目に遭うことなんて なかったでしょうに・・・」 「リストラ?!」 ええ、と佐野は頷く。 「鏡は、私と神田の前の会社の後輩なの。」 ああ、と私は頷く。 「確か、 社長の叔父に当たる方が経営してらっしゃるとか・・・」
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