初陣編_漆

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  はぁ、と佐野はため息をつく。 「うちはね・・・、すっごく忙しいでしょ? 鏡が取ってくるのって、 なんで、こんなどうしょうもない案件ばかりなんだろうって 思うものばっかりなのよね・・・ だから、必然的に社員の負荷は高い。 ・・・だから、ね。 耐えられず、辞表を書くものも年間で片手ですまない。」   私は嫌悪感を押し殺す。 「・・・それを、悪用、しているってことですか・・・」 佐野はなんともいえない顔をする。 「そう、とも言えるわね・・・。 だけど、うちで頑張れる社員は、そのまま残っていく。 それを、嫌がらせをして辞めさせるってことでは決してない。 ・・・ただ、ね。 無人島に置き去りにして、生きるか死ぬかを選ばせる。 そんな残酷さはあるわ。」
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