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はぁ、と佐野はため息をつく。
「うちはね・・・、すっごく忙しいでしょ?
鏡が取ってくるのって、
なんで、こんなどうしょうもない案件ばかりなんだろうって
思うものばっかりなのよね・・・
だから、必然的に社員の負荷は高い。
・・・だから、ね。
耐えられず、辞表を書くものも年間で片手ですまない。」
私は嫌悪感を押し殺す。
「・・・それを、悪用、しているってことですか・・・」
佐野はなんともいえない顔をする。
「そう、とも言えるわね・・・。
だけど、うちで頑張れる社員は、そのまま残っていく。
それを、嫌がらせをして辞めさせるってことでは決してない。
・・・ただ、ね。
無人島に置き去りにして、生きるか死ぬかを選ばせる。
そんな残酷さはあるわ。」
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