電報メール

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それからも2日置きにくる、戦時中のような電報メール。 『ハハキトク、スグカエレ』 『チチキトク、スグカエレ』 『ソボキトク、スグカエレ』 毎回、人が違うだけで同文のメール。 "危篤"と聞くだけですごく不安になり、身震いしてしまいます。 それに送られた日に限って、誰かの気配がするのです。 まるで、"誰かが電報を届け"に来たかのように。 二週間が過ぎた辺り、別の気配がし始めました。 部屋の中に誰かが居るような………。 しかし、見渡しても誰もいません。 それは決まって、真夜中なのです。 私になにかを伝えたがっているような、悪い感じのしない気配。 そんなある日、私は大家さんに呼び出されたのです。 「ちょっと聞いておくれよ! ここ土地の前の所有者の親族に連絡がとれたんだけどね! ここ、昔と言うか、戦争中に疎開者を受け入れてたらしいんだ! それで、電報について聞いてみたら! "2日置き"によく電報を配達員が持って来てたんだってさ! ……だけどね、戦時中だったもんだから届けに来るのが精一杯で、来たとたんに息を引き取っちまってたらしい。 それにね…。疎開者たちも栄養失調者がバタバタ出ちまって、電報に返事も出来ずに亡くなっちまってたらしいよ。」
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