初陣編_拾肆

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  綾香は私を睨み付けた。 「いいこと、真が優しいからって勘違いしないで。 アナタなんか、一時のオモチャに過ぎない! 貧相なあなたと真に先がある、なんて思わないで頂戴。 私は、彼の正式な許婚なの!」   許婚、なんて制度がまだあると思わなくて、 つい、驚いて口にする。 「い、いいなずけ?!」 綾香はムッとしたようで、声を荒げる。 「疑うなら、確認すればいいわ。 さっさと、真を呼びなさいよっ!!」 そんなつもりはサラサラない、と今更伝えたところで 彼女の激昂は収まる様子もなく、私は途方に暮れる。 そんな時、ふらり、と結が入ってきた。 「綾香さん、お久しぶり。」
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