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綾香は私を睨み付けた。
「いいこと、真が優しいからって勘違いしないで。
アナタなんか、一時のオモチャに過ぎない!
貧相なあなたと真に先がある、なんて思わないで頂戴。
私は、彼の正式な許婚なの!」
許婚、なんて制度がまだあると思わなくて、
つい、驚いて口にする。
「い、いいなずけ?!」
綾香はムッとしたようで、声を荒げる。
「疑うなら、確認すればいいわ。
さっさと、真を呼びなさいよっ!!」
そんなつもりはサラサラない、と今更伝えたところで
彼女の激昂は収まる様子もなく、私は途方に暮れる。
そんな時、ふらり、と結が入ってきた。
「綾香さん、お久しぶり。」
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