初陣編_拾肆

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  スッと息を吸った私に、結は構わず追い討ちをかける。 「綾香さんはね、いつもはとっても穏やかな方よ。 京都で茶道の家元をやってらっしゃる由緒正しい家の方で とても礼儀正しい方だわ。 その彼女がここまで乗り込んできた、その苦痛を 貴女は考えたことがあるのかしら? それに、看護婦たちが、貴女に傅くのはなぜだと思う? 真さんが、連れていらっしゃった来賓だからよ。」 私は深く息を一気に吐き出す。 「私は、社長に治療費を持って頂くつもりはありません。 前回は例外的に厚意に甘えましたが 今回は自分でちゃんと払うつもりです。 後、治療以外で 看護婦さんたちを付けて頂かなくて結構です。 自分のことはもう自分で出来ますから。」
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