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スッと息を吸った私に、結は構わず追い討ちをかける。
「綾香さんはね、いつもはとっても穏やかな方よ。
京都で茶道の家元をやってらっしゃる由緒正しい家の方で
とても礼儀正しい方だわ。
その彼女がここまで乗り込んできた、その苦痛を
貴女は考えたことがあるのかしら?
それに、看護婦たちが、貴女に傅くのはなぜだと思う?
真さんが、連れていらっしゃった来賓だからよ。」
私は深く息を一気に吐き出す。
「私は、社長に治療費を持って頂くつもりはありません。
前回は例外的に厚意に甘えましたが
今回は自分でちゃんと払うつもりです。
後、治療以外で
看護婦さんたちを付けて頂かなくて結構です。
自分のことはもう自分で出来ますから。」
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