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結はニコニコと私の隣に座り、看護婦が持ってくる紅茶を飲む。
「すっかり熱が下がって良かったわ。
来週には、人間ドック、受けれそうですね。」
ええ、と私は頷く。
その時、視線を感じて鏡を見る。
鏡はなぜか私を見つめていた。
「どうかしましたか?」
鏡は、いや、と答えて、また新聞へ目を落とした。
私と結は顔を見合わせて、首を傾げた。
その後はいつも通りの手順を踏む。
鏡が出て行き、
肩の治療中にモルモットにされ、くたびれ果てて寝る。
結はとにかく私の過去を知りたがった。
・・・でも、私は自分の過去を思い出したくなかった。
毎日その攻防が繰り返され、精神的疲弊を感じる。
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