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大学卒業後、地元企業に就職して一年目。右も左も分からず、それでも馬車馬のように働き、ようやく慣れてきた頃には夏の終わりだった。その日は、そんな多忙な俺に降って湧いた休日で、だからこそ何をやれば良いのか分からない俺は、ただぐだぐだと自宅のベッドで過ごし、ぽっかりと空いた時間を浪費していた。
窓外の空が赤く色づき始めた頃、テーブルに放置した携帯電話が甲高く鳴った。まさか会社からの呼び出しかと肝を冷やしたが違った。それは一通のメールだった。
『Fw:同窓会のお知らせ』
タイトルにはそう書いてあった。
『ご無沙汰しています。S高校三年五組だった久保 あや子です。
さて、私たちがS高を卒業して五年が経とうとしています。みんなを懐かしく思う気持ちが日々募っていき、メールという形でお知らせを回すことにしました。
突然の不躾なメールで申し訳ありませんが、来る八月二十五日に同窓会を企画しています。
なにぶん、皆さんの都合を考えずに送っていますので企画倒れになってしまうかもしれませんが、集まれる人で大丈夫です。途中参加でも構いません。
久しぶりに、みんなでわいわい騒ぎませんか?
詳しい事項は下記をご参照ください。
記:……』
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