死してなお彼女は強く

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 色々と未熟だなと俺は思った。第一に同窓会の呼びかけをするには遅すぎる。学生じゃないんだから、全国に散り散りになったクラスメイトの日程が都合よく合うわけがないのだ。普通は、少なくとも二か月前には通達し、複数回のやり取りを交えたうえで、それでも全員集合とはいかないものだ。  第二に、そんな知らせをメールで回してきて、しかも思い付きである節を文面ににおわせてしまっている。これじゃ、休みをとって出席してやろうかという気概も起きたものではない。  久保さんとは、正直に言うとあまり懇意な間柄ではない。名前も顔も記憶はされているが、地味な子だったためなのかなんなのか。  以前から、色々な人の企画で同窓会なるものは敢行されてきたが、俺は地元に住んでいるにも関わらず不参加を決め込んできていた。年数回、悪友どもとは会う機会があったし、わざわざ同窓会に参加するのは億劫だという合理的な考えがそこにはあった。  俺は、このメールを転送してきた住田に電話をかけた。 「お前、行く?」 「俺は行かねえ」  それだけの意思疎通をして、すぐに電話を切った。まあそうだろうな。第一、俺はその日は仕事が入っていた。クタクタの身体で途中参加するだけの肉体的および精神的余裕は、社会人一年目の俺にはまだない。  不参加。俺は確かにそう結論を出してベッドへと戻っていった。
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