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-労働施設-
ここは貧民達が強制労働をさせられている施設である。
毎日、老若男女問わず、大量の貧民が黙々と作業をしている。
貴族たちは貧民の事をゴミクズと同じように思っているのだろう。
ここで働かされている者は睡眠時間もほとんどなく、満足な食事も与えられていない。
人が倒れるのは当たり前、死人も当たり前のように出る。
貴族達からすれば貧民の代わりなどいくらでもいるから、貧民が死んだ所でまた補充すればいいだけの話だ。
「そこまで、食事の時間だ!」
数十人いる部屋の中で、一人の貴族が叫ぶ。
これだけの人数が文句も言わず作業をするのは、この人数で貴族一人に反抗したとしても敵わないというのを皆知っているからだ。
俺達には会話すら許されていない、皆無言で食堂へと向かう。
食堂には一つの椅子の前に一つずつ、パンと水が置かれている。
何も言わず椅子に座ると、皆手を合わせ祈りを捧げる。
戦女神アテナ様
今日も日々の糧を与えられる事に感謝します
我らが魂を天へ導き悪からお守りください
俺達が一日を通して言葉を発するのはこの時だけである。
そして食事の後は再び作業へと取り掛かる。
こうして俺たちの一日は終わる。
俺がここへ来たのは二年前だ、正直いつ精神が壊れてもおかしくはない。
逃げ出そうと考えた事もあった、しかし俺がこの施設から逃げ出したら兄さんも殺されるだろう。
俺には3つ年上の兄さんがいて、別の労働施設で働かされている。
しかしここに入ってからの二年間、外とは完全に隔離されている為、兄さんが今どこで何をしているのか俺にはわからない。
そして俺は黙々と作業をこなす日々を送る。
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