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紅の龍が地に降り立ち、戦場を響動めかす。
ギラリと光る金の瞳は、悪しき人間を求めて辺りを見渡す。
「ヒッ!!??」
恐怖に喉を鳴らす者。
紅の龍はそれを見逃さなかった。
開いた口内が赤々と燃え盛り、そのまま人間に向けて放たれる。
その炎は一瞬で身を焼き、一瞬で鎮火した。
「ーーッ!!」
そばにいた男が名らしきものを叫ぶが、その名を持つ者には2度と届かない。
それどころか彼もまた、同じく炎に焼かれ行く。
紅の龍は的確に人間だけを襲った。
理性はなく、ただ本能のままに。
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