初陣編_拾陸

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  その時、鏡が駆け込んできた。 水曜の昼間、というのに、仕事を抜けてきたようだ。 「・・・・何をしているっ!」 静かに声を荒げた鏡に、私ですら、ビクッと身を竦めた。 綾香はポロポロと涙を零して、鏡に縋る。 鏡はそんな綾香に静かに叱責する。 「・・・出て行け。 ・・・・・・これ以上、俺を怒らせるな。」 綾香は震える声で、叫ぶ。 「なんで、いらっしゃったの? あれほど、1度お会いしたい、とお願いしても 来て下さらなかったのに・・・ ・・・。 この子が、それほどまでに、大切、ですかっ。」
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