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なのに、ガチャッと扉が開き、結が現れる。
「あら、騒がしいと思ったら、綾香さんまでいらしていたの?」
泣き崩れて、今にも倒れそうな綾香を見ていると思えない
その口調に、私は嫌悪感すら覚えた。
「いいから、どけ。」
鏡の怒気さえ構わず、結はにっこりと微笑む。
「そういえば、綾香さん、おめでとう。
武人さんとご結婚がお決まりになったのよね?
お式、楽しみにしていますわ。」
ワナワナと震え始め、また、綾香が泣き崩れる。
鏡が結を睨み付けた。
結はそれを気にした様子すらない。
「どうなさったの?おめでたいことじゃない。
ああ、そうね。
綾香さんは真さん一筋だったものね。
真さんの従兄弟との結婚なんて、望まれていないのでしょうね。」
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