3 ドキドキのゆくえ

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夜はドキドキして眠れなかった。 おそらく私の心のどこかに潜んでいる『期待』感が、何事も起こらない肩透かしのような一日を想像して凹むのだ。 考えちゃダメ。 クールに。クールに。 そう思えば思うほど、ますます眠れなくなった。 嬉しそうな顔で受け取ってくれたけど、他の子にも同じ顔してたりして?とか、どうせ隣のクラスのアイドル似のあの子からのほうが嬉しかったんじゃないの?とか。 だって、可愛い子のほうがいいでしょ? みんなそうでしょ? 「おまえの彼女って可愛いよな~」って言われたいでしょ? ノブ君の優しさが私にだけ向けられてるわけじゃない気がしてきて、どんどんどんどん性格ブスになる。 でも…、でも! ただ、気持ちを伝えたかっただけなんだから! 大好きな気持ちを大好きって伝えたかっただけなんだから! 最初の気持ちを思い出して! 気にしない!気にしない! うん、気にしない…よ。
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