3 ドキドキのゆくえ

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放課後になった。 3月14日の半分以上が終わっていく。 タエミは「ユウ君が迎えにきてくれるの~」とはち切れんばかりの笑顔で教室を飛び出して行った。 今夜は超有名ランドの『恋人達のナイトなんたら~』っていうパレードを見に行くらしい。 去年の夏に開催告知とチケット予約があって、タエミに内緒で井本先輩が用意しておいてくれたそうな。 「半年も前からこの日のために、って、その時も、その先の未来も、私のこと想ってくれてたってことでしょう?幸せ過ぎて泣きそう~」 って本当に泣きながら電話がかかってきたのが昨日の夜だった。 きっとそう。 半年先もタエミが傍にいるって、そう確信してたってことだよ。 「ついでに買っとくか~」なんて学生の身分で右から左へ出せるような安い金額じゃない。 親友が幸せそうで嬉しくなった。 次は私!な~んてちょっとだけ、ちょっとだけ思えたりして。 でもまぁ、現実は、すでに放課後なんですけど。
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