19 エピローグ

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ピィッと短い笛の音がしてまた風が変わった。 ブルッと寒さで身が縮む。 目を開けると、サッカー部がランニングを始めるところだった。 涙を拭って立ち上がる。 ありがとうございました… 今やっと、卒業できたような気がした。 ノブ君から、ではない。 子どもだった『自分の気持ち』から、だ。 これからは。 ノブ君に会いたくて寂しくなっても。 ノブ君に会えなくて悲しくなっても。 誤魔化さずに泣く。 寂しい時は寂しい、って言って。 悲しい時は悲しい、って言って。 でも、泣いたあとは幸せだったことを思い出して笑う。 そうして、泣いて。笑って。 ノブ君の分も生きていくんだ。 スカートの裾を払うとグラウンドに背を向けた。
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