初陣編_弐拾

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  グィーンッ・・・ エレベーターの起動音さえ、敏感になった耳は捕えて・・・ 私は早くなる鼓動で気持ち悪くなりそうだった。 それでも、拳を握りしめ 必死に逃げ出しそうになる足を留める。 チンッとホールに響くような機械音に ビクッと怯える。 こんな早朝、この階に降りてくるのはあの人しかいない。 そう、私が待ち伏せしている相手・・・ 思った通り、 相手はエレベーターから出てすぐ、ピタッと足を止める。 驚いているのか、どうすべきか悩んでいるのか 相手はそこで立ち止まった。
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