初陣編_弐拾

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  「どうした?トラブル、か??」 はい、と私は俯いたまま答えた。 顔を上げたら、泣いてしまいそうだった。 ホッとした。 怖かった・・・、本当に怖かった。 足早に去られたら、どうしようか、と・・・ 自分がしたみたいにすげなく、 全身拒否されたら、どうしようか、と・・・ 考えるだけで、怖かった。 そして、背を見せられたら、 私にはその背を追いかけ、声を掛ける勇気はない。 心配そうに覗き込む鏡に 私は慌てて、立ち上がり、エイッと頭を下げる。 「ごめんなさいっ。 この前は、あの・・・。 私、言い過ぎた・・・、かも、しれない・・・」
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