2人が本棚に入れています
本棚に追加
私は気を取り直し、必死に謝罪を伝える。
「いえ、あの、言いすぎたと思います。
・・・沢山の気遣いをいただいたのに・・・・
あんな言い方するなんて・・・
す、すみません。
怒ってらっしゃるのは、承知だったんですが・・・
その、あの・・・」
フッと鏡は笑って、顔を手で隠す。
あんなに寝るまであれこれ考えた台詞は一つも出てこない。
だから、
馬鹿の一つ覚えのように、ごめんなさい、と私はただ繰り返す。
許してほしかった。
もう一度、その視界に入れてほしかった。
でも、鏡は片手を上げ、謝罪を制し、
もう一つの片手で顔を覆い隠して、その表情を見せてはくれない。
最初のコメントを投稿しよう!