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心細さに千切れそうになった時
鏡が突然、私の身体を引き寄せ、抱き締める。
驚き、反射的にもがくと、鏡が弱々しく囁く。
「・・・何もしないから・・・」
その声に驚きも焦りも、気恥ずかしささえ消えて・・・
ふわりと気持ちが落ち着く。
本当はこの胸に包まれる度、不思議なほど安心して
彼の体温を感じると、心は穏やかに暖まる。
もうずっと前に気付いていたけど、気付かないふりをした。
それを認めてしまえば、
深みに嵌るような気がしたから・・・
それはとても、とても、都合が悪かった。
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