32人が本棚に入れています
本棚に追加
「早く早く!時間ないんだからぁ!」
私だって、仕事が朝からあるんだから!
早く靴を履いて、玄関から飛び出てよ!
「う、うるせぇなー…声がデカいってー…朝からー…」
靴を履くのに、なんでそんなに時間掛けるのよー!
のんびりやりすぎー!
「永田ってさー、なんで家ん中だとそんなにノソイのさー!」
私は朝からバタバタしていた。
朝のスーパーマーケットは、うるさいオバサンが多いんだから!
遅刻なんて絶対厳禁!
「あー、よっこらしょー、えーっと、左足左足ーっ」
あぁーーっ!!
あのさー、ちょっと!!
私が慌ててるのに、分かっててやるんだから!
わざとらしく、狭い玄関先で座り込む永田に、
「もぉ!!意地悪!!」
跨いで、私はスニーカーをグチャグチャに履いて玄関の扉に手を伸ばした。
「別にー、俺は意地悪じゃねぇしー、おまえが時間に余裕持って動かねぇのが悪いしー、それから俺は、家ん中ではゆっくりして居たいからー、ノソイ訳でもねぇーしー」
うううっ!!…
わ、分かってる!分かってるってば!
実は私、いつもの時間に起きれなくて、寝坊したの。
そして、毎朝のトーストとコーヒー。
朝食の支度も出来ず仕舞いで、この有り様。
最初のコメントを投稿しよう!