3…永田的NARESOME!

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抱き締めてやんなきゃ、俺の想いは伝わらないのか…。 「あぁ、そう言う事だ」 それが、俺とトシコが付き合う事になったナレソメだ。 「トシコ?…トシコッ!…」 夢中になって、買ったばかりの半パンまで履いてるから、 「そんな事は、食事の後にしてからやれっつーの」 小さい子どもじゃあるまいし。 「あっ、あー、ごめんなちゃーい」 時々こうやって、叱ってやんねぇといけねぇのが、コイツの痛い所。 「なぁ、歩き疲れて、腹が減ってんだよ」 「そっ、そうだよね。すっ、すぐ作るから」 トシコは俺の空気を読んで、キッチンへと向かった。 「はぁーあ」 溜息と同時に、俺はソファーで寝そべって、やっとのんびりする。 でも、こうやって。 この感じが。 こう、やっぱり。 そうだな、これってモノが何もなく、平穏に只々時間だけが流れていく生活が、俺にとっての幸せなんじゃないかって思える訳だ。 そして、トシコを幸せにしてやってるんじゃないのかなーと思えてくる。 キッチンに立つトシコをチラッと見て、 「…アホトシコ」 ぼやいたりしても。 おまえのその口笛に、俺と居てなんとなく幸せだと思えてくれていたら、いいのになーと思えてくる。
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