32人が本棚に入れています
本棚に追加
動き疲れて、気持ちよくなってきた頃合い。
俺もそろそろー、だなんて思った時、
「Zzz…Zzz…」
イッ、イビキ?!
バカヤロー、おまえ、ったく、いい加減にしろよ!
トシコはイビキをかいて、気持ち良さそうにヨダレを垂らして眠っていた。
コイツはいつも、最後はこうなんだよ。
こういうオチを俺に落とすんだよなぁー。
もぉ、いいよ、勝手にしろよ。
俺は渋々、気持ちを落ち着かせて、服を着る。
もちろん、トシコにも脱ぎ散らかした服を拾って、着させてやんの。
何やってんだよ、俺もおまえも。
チラッとまた、トシコの寝顔を見る。
「あー、参った参った…」
俺は前髪をかき上げて、静かに大きく肩を揺らして笑った。
最後の絶頂、俺には体感させないつもりか?…
終わりがない、そんな仲でいつも居たいって?…
気持ちいいのも、同じタイミングじゃないと嫌だって事なのか?…
だとしたら、おまえは俺より相当、腹黒い野心家だな。
Sな俺に、Mなフリしておまえは、こうやって遠回しに自分の気持ちを押し付けてんだよな。
はいはい、分かったよ。
いつも試してる俺は、おまえにドップリ試されてるフリをしてやるよ。
最初のコメントを投稿しよう!