5…いつもの二人

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「うぉら、早く靴をはけっ」 「だってだって!カカトがうまく入らないんだものー!のんびりでいいってばー!」 永田ってば、なんなのよ! 玄関先で、今日からテンヤワンヤ。 「うるっせぇ、遅刻すんぞ」 バシッと尻を叩かれて、私は急かされる。 「痛ッたいなー、もぉー!」 私が仕事に遅刻しないようにと、のんびり屋の永田は、私と一緒に早起きしてくれて、更にはわざと急かす。 口を尖らせてスネていると、突然の不意討ち。 …チュッ… 「あー!」 「あー?」 永田を見ると、相変わらず余裕有りな無表情だし。 「キスだけかよー、つまんなーい!」 とか言いながら、私は恥ずかしくなって、時間がないのに永田に引っ付く。 すると、大きな手で頭を撫ててくれて、 「よしよし、続きは、帰った後なぁー」 永田は優しい顔をやっとしてくれたから、私は素直に納得。 「はい。お仕事、今日も頑張りやんす!」 「おぉ、頑張って来い。玄関、閉めとくから、先に行け」 お揃いの鈴の付いた鍵を、永田は私に見せるようにして、手を振った。 「行ってきます!」 私も手を振り、自転車に乗って、永田に見送られながら仕事場へ。
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