2杯目 / 小さな神々

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ブォン! 軽快なバイクのエンジンが聞こえたかと思えば、ようやくお使いに出ていたレトレスが帰ってきたようです。 「よおオイドのおっちゃん、遅れて悪かったな」 「そう思うのならもっと急ぐべきですよレトレス。それに14歳の貴方はバイクを運転してはいけません」 「細かいことは気にすんなって。それに俺の事はラプラスって呼べっていつも言ってんだろ?」 バイクから降りたレトレスはふざけた態度をとっていますが視線はヤヲヨロヅを向いています。彼なりに本気モードなのでしょう、口元がニッとつり上がり瞳に闘志が伺えます。 「ねーちゃんとヒゲゴリラが来る前にぶっ倒してやるぜ!」 「境界の中じゃないと大惨事ですよ」 「おぉっとそうだった」 まあ、彼の力もヤヲヨロヅを物理的に伸すには向いていません。やはり残りの二人を待つ他ありませんか。 ちなみに当のレトレスはヤヲヨロヅに向かってあかんべえしています。これが彼のイメージングらしいのですが如何せんダサいとお嬢に言われてましたね。 「エリア展開ッ!」 レトレスの境界は果てが見えないほど大きい、というのは力の元世界の法則をねじ曲げる影響が強ければ強いほど、境界の範囲は狭くなる傾向があるからなのです。 つまりレトレスの力は私の持つ確率操作など、物理法則を一部無視するような力ではないということ。しかしその内容は非常に強力で。 「『世界の全てを予測する全知の眼(パンドラデモンサイト)』!」 目の周りに浮かび上がった紋様が光を放つ。端から見ると結構眩しそうなんですが本人はそこまで気にしていない様子。
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