2杯目 / 小さな神々

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「あっぶねぇぇぇぇぇぇぇ!観測ミスとかそんなんじゃねぇ!ねーちゃん加減考えてねぇぞ!多分ハラ減ってるんだ!」 「なるほど、それで.....って、お嬢の砲弾が一発で済む筈無いですよね......」 「ははは、やべぇぞこりゃ」 洒落になりません。 ドドドドドドドドドドドド!!! 一発で大地を抉り削る威力の弾丸がマシンガンの如くヤヲヨロヅに撃ち込まれていく。既にヤヲヨロヅの身体は消滅を始めているにも関わらず砲撃が止む気配はない。 お嬢、空腹で相当イラついてるんでしょうね......。 「でもオイドのおっちゃん、アレここで消えちまったらマズいんじゃねぇの?」 「ですね...しかし私達にはどうすることも出来ません」 「まだ死にたくねぇなー。可愛い女の子とイチャイチャちゅっちゅしたいぜ」 「子供にはまだ早いです」 「うるせぇ童貞のくせに」 「なッ」 「へっ、カマかけてドンピシャだぜ。やーいDT眼鏡!」 「貴方いい加減にしないと怒りますよ」 「俺におっちゃんの拳が当たるとでも?いいぜやってみろよ!全部華麗に避けて......あっ」 威勢を放っていたレトレスの視線が私の背中越しに固まりました。そういえば影になっていてすこし暗いような...... 「おや、ミスター・ドルネダ。何故こんな所に?」 振り返ると仮面を被ったスーツの紳士が立っています。『数打ちゃ当たる』......もとい『死ねない猫の収束扉(フィフティ・フィフティ)』の能力を持つ私達の仲間、ドルネダ・エルテインウット氏。 「君達がくだらない話でぎゃあぎゃあ言ってたから連れて帰りに来たのさ。レトレス君がいないとお嬢のお怒りが鎮まらないのでね」 「ならアンタもオイドのおっちゃんも料理できるようになれっての!」 「紳士は紅茶を嗜むものだよ」 「アンタ紅茶まともに淹れられねぇじゃんかよ!」 「と、ところでミスター・ドルネダ、どうやってここに?貴方は境界の内側にいたのでは?」 あそこからここまでかなりの距離がある。ヤヲヨロヅを処理した直後に来るのはかなり難しいし何より場所を特定するのが困難だ。
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