2杯目 / 小さな神々

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ガチャ。 バーの扉が開いたかと思えば、話の渦中の人物が優雅に登場しました。ゴスロリという服でしたっけ?それを身に纏ったアレイア嬢より背の低い少女、ディマータ・オンブリジュ。 「申し訳ありませんわ。お洋服を選んでいたら遅れてしまいまして」 「うわ、またそんな格好かよ」 「あぁ!?このクソガキぁアタイのセンスにケチ付ける気かァ!?」 「ストップ、ストップだ!ドル様もいらっしゃるんだぜ?」 レトレスは毎回のようにディマータ嬢の地雷を踏んでますが、あれ確実に遊んでますよね...。 「はっ、し、失礼しましたわ。私としたことが野蛮な言葉遣いを......」 「いや?ディマータちゃんはそれが似合ってると思うよ」 「ドル様っ!」 「肩の力を抜きな、そうじゃないと君の魅力も半減だ」 「あ、アタイもっと肩の力抜きます!抜きまくります!」 と、本性が隠れるどころか自己主張激しいのですが本人は気にしていない様子。それでいいなら何も言いませんよ。 さて、これで我々の仲間は全員揃ったわけですが......今日のお目当ての方はやはりまだのようです。仕方ありません、神々の乱入があっては依頼を断っていることでしょう。 依頼の内容が内容なだけに適任者が少ないのですが、連合の上層部が五月蝿いので根気よく探す他ありませんね。 「おなかすいた...おなかすいた...」 「あ、ねーちゃんのこと忘れてた」 「どうする?僕が買ってこようか?」 「許可証の発行がありますからミスター・ドルネダの能力でも難しいかと」 「珈琲ならあるのですが...力及ばず申し訳ない」 「いや、マスターは悪くないよ、今回は食材買ってなかった僕達の責任だし」 「どういたしますの?状況は悪化するばかりですわ」 この危機を脱する方法...何かありませんかね... ブゥン...キキィッ! ガチャッ 「あ、あのー......ここがその、異動先で良いのでしょうか?」 全員の視線がその人物に集まります。 正確には、その手に持っているラッピングされた箱に。 「あ、菓子折、よかったらどうぞ......」 ミス・シラヌイはメシアだったようです。
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