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「シラヌイ様ようこそお出でくださいました。私はこのバーのマスターをしております、エフォールト・ワイヒェルと申します。ここにおられる皆様のような特別な力のない、コーヒーを淹れることしか出来ぬ老いぼれではありますが、ここが皆さんの憩いの場所となるよう日々勤めております。シラヌイ様も例外ではありません、何卒くつろいでくださいませ」
「あ、はい、これはどうもご丁寧に」
「ほっほっほ、やはりニッポンの女性は物腰の柔らかく素晴らしいですな」
「は、はぁ...」
なんだか故郷を思い出す雰囲気を感じる。日本を知ってるのは旅行にでも行った経験があるのかな?
「む。マスター!それはお嬢様やわたくしが美しくないと仰っているのと同義ですわっ!」
「いやいやそんなことは御座いません。ディマータ様も充分お美しいですよ」
「ならよし!」
「口調口調」
「!......レト、わたくしに指図とは良い度胸ですわね」
「何だ?やる気か?」
「良いでしょう!わたくしに喧嘩を売ったこと、後悔するといいですわ!」
「はい、そこまで」
ぽこっ。
ドルネダさんがどこからか取り出したピコピコハンマーで二人の頭をこつんと叩きます。懐かしいものを見ました。あれって今でも売ってるものなんでしょうか?
「ドル兄邪魔すんな!」
「ん~じゃあどうされたいのかな?」
「これはアイツと俺との真剣勝負で...っ」
「ドル様ぁ~怖かったですわ~」
ディマータちゃんがドルネダさんに抱きつく。レトレス君は目を丸くしてるしドルネダさんは背中への衝撃で蛙が潰れたような呻き声をあげます。
「わたくし、あの野蛮人に脅迫されて」
「変な作り話すんじゃねぇ!なぁドル兄、見てたろ!俺は悪くないぞ!」
「いいえ貴方が悪いのですわ!」
「ふざけんな!元はといえばそっちが!」
「いいえ貴方が!」
あらら、喧嘩が始まってしまいました。これは止めるべき?
「え~っと、二人とも喧嘩はよくないよ?」
「新入りの姉ちゃんは黙ってろ!」
「貴女に指図されたくないですわ!」
「ひぃ!す、すみません」
って、私が謝ってどーする。
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