共闘編_肆

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  オーケストラが並び、司会者が立つ。 オーケストラの拍手と共に、指揮者が上がり、何曲か披露される。 完璧な調和の中で奏でられるそれらは どれも、どこかで聞いたメロディーの、馴染みのあるクラシック。 ・・・・だけど、どれも、私の心を通り過ぎていく。  指揮者が外国語で何かをしゃべり、通訳がそれを訳す。 「皆さんが待ちに待っている方に登場して頂きましょう。」 大きな歓声と拍手とともに、現れたのは『蓮』。 遠くからでも分かる。 ・・・蓮はいつも通りの笑顔を浮かべていた。 それだけで、唇が震え始める。 必死に噛み締め、ただ、耐える。
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