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オーケストラと
蓮のピアノのセッションが織り成す美しい音色。
だけど、私はただ、蓮を見ていた。
後で思い返しても、
きっと、蓮の横顔しか思い出せないと思う。
でも、それでいい、と思う。
楽しそうにピアノを弾く蓮の表情。
それは私の知っている蓮のそれと一緒だ。
それさえ、覚えていれば
私はきっと、これからも立っていられる。
全ての演奏が終わり、
蓮とオーケストラは指揮者と挨拶を済ませた。
『もう、終わりなんだ・・・』
ズキンッと痛む胸。
必死に泣くまい、と堪えるだけの私。
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