第1章

2/4
前へ
/4ページ
次へ
尾形均が顧客の会社から自社に向けて歩いている。 今日も太陽は焼けるような光をサンサンと均だけでなく道行く人に分け隔て無く浴びせていた。 滝のように噴き出てくる汗を拭い、ポケットに汗を拭いたハンカチを入れたとき会社から渡されている携帯にメールが届く。 ポケットに入れた手でそのまま携帯を掴みポケットから携帯を出す。 メールの内容を確認しようと携帯を開き画面を見る。 内容を読もうとした時、携帯本体が手で持っている事が出来ない程の熱を持ち携帯の画面が黒くなった。 熱を持った携帯を思わず地面に落とし、慌てて拾い上げようと身を屈めた均の耳に悲鳴や困惑した声が入る。 「キャー熱い! 」 「買ったばかりのスマホなのに、画面が真っ暗だよ?」 「ヒィーッ、スマホから煙が出てる」 「え! 嘘!?故障?」 あまり熱くない携帯の隅の方を指で挟むように持ち腰を上げた均の目に、周りにいる人達が皆均と同じように携帯やスマホの隅の方を持ち電源を入れようとしているのが映った。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加