28人が本棚に入れています
本棚に追加
均は目を歩道から車道に移す、道行く車の全てが停車し必死に動かそうとしている車の中の運転手の姿が見え、数百メートル先の高架線の上では電車がストップしている。
均の目にはその先20数キロ先の空港に向けて真っ逆さまに落ちて行く旅客機の姿が映っていた。
ただ事で無い事態に均は2キロ程先にある会社に向けて慌てて走り出す。
途中コンビニで水を購入しようとコンビニのカードを出すがレジが使えない為、現金それも小銭での販売しか出来ないと断られた。
半死半生の状態でなんとか会社にたどり着いたが、会社も大騒ぎになっている。
均は居合わせた同期の隆に事情を聞くが隆も首を振るだけであった。
会社のパソコンからクーラーなどあらゆる電気製品が使えなくなっており、その中にはテレビやラジオも含まれている為情報を手に入れる事さえ出来ない。
20年前会社を定年で退職した後パートで再就職した会社の最年長者の井上の親父さんが、非常用食料を備蓄している地下の倉庫のそのまた奥。
亡くなった先代の社長が核戦争に備えて作った核シェルターから真空管のラジオを取って来ると、同じように核シェルターから持って来た発電機を繋ぎスイッチを入れる。
最初のコメントを投稿しよう!