第1章

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まあ何はともあれ、僕は無事に5分以内に嶋井川家に到着した。 インターホンを鳴らすと家から奈子のお母さんが現れた。 「まあ、やっぱりきーちゃんだったわ。 毎日来てくれてありがとね」 奈子母は優しい笑顔でそう言って、僕を家の中へ親切に招き入れた。 その後部屋の奥へと奈子母は消え去り、玄関から靴を脱いだ僕は一人ぼっちになった。 さて……奈子は二階の自分の部屋にいるんだよな。 僕は二階へと繋がる階段に足を進ませる――その前に、だ。 まずは一階の、畳のある敷居へと足を踏み込んだ。 その部屋の奥の中央には仏壇があり、僕はその目の前にある座布団に座り、花束を置く。 その花束は最初から仏壇に供えるためのものだった。 「また来たよ」 僕は写真立てに向けて、そう微笑んだ。 因みに。 その写真立てに写っていた人物は―― 嶋井川奈子。 僕の幼馴染みだ。
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