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鏡は会場から少し離れたところで車を止めさせた。
「落ち着くまでここで待とう。
もう30分もすれば、
主要な来賓が入り、彼らも去る・・・」
はい・・・、と俯き、すみません、と謝った。
鏡が私の顎をソッと持ち、微笑む。
「気にしなくて良い・・・。さあ、顔を上げて・・・」
はい、となんとか笑って、答えた。
スタッフとしてだったら、多分、平気であそこを通れる。
せめて、いつもの格好なら大丈夫、かも、しれない。
素知らぬ顔で、脇を通り抜けていけば良い。
・・・もちろん、そんな真似、鏡にさせられない。
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