花に嵐編_弐

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  私は納入後、 すっぱりとそのシステムを忘れてしまう傾向がある。 要件を聞いたり、コードを見ると、思い出すのだが システム名すら忘れてしまうこともあるので、 社名は言わずもがな、である。 あまり突っ込まれても、都合が悪いので 担当者が私の名を覚えていてくれた事にお礼を述べてサラリと流す。 システム要件を全て聞き終え、 確認事項を補足しながら、話を進めた。 途中、矢田さえ、心配そうな顔で私を何度か見る。 斉藤は社長だというのに、 仕事の流れを把握しているとは思えない。 たどたどしい説明がそれを物語っていた。
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