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そうですか、と私は流した。
「申し訳ありませんが、今回の契約は?」
コイツ、と巧が斉藤を叩く。
私は斉藤を見て、再度確認する。
「斉藤様もよろしいでしょうか?」
もちろん、と斉藤は頷いた。
巧が強引に話を戻す。
「・・・あの日からずっともう一度会いたいと思っていたんだ。
こんな風に会えるなんて、奇跡だよ。」
私はやんわりとそれを流し、立ち上がる。
「・・・偶然は、結構、よくありますね。
では、今日はこれで。
正式な見積もりが出ましたらお持ちします。」
待って、と巧が私の手を取る。
私は振り向き、その手を取り返す。
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