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花に嵐編_弐
忙殺されるような忙しさの中
困り果てた様子の坂口が私の元へ訪れる。
最近、鏡の姿は見ない。
調整であちこち廻っているようで、社内で姿が見えない。
坂口は心配そうに尋ねる。
「お願いしたいことがあるのですが、いいですか?」
手を止めて、どうぞ、と坂口を見る。
・・・実は、と坂口は言い難そうに始めた。
「由紀さんが昔納品したことがあるらしい会社から
受注の依頼が来ていまして・・・」
そうですか、と私は頷いた。
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