ある日のカンベ君

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朝、学校に登校してすぐに先輩に拉致られた。 そして連れ込まれたのは教室から離れた人気の無いトイレの個室。 え、何? この人、俺を個室に連れ込むのが好きなの? やだ、変態! 知ってたけど! 「なぁ、知っとる? 新しくハワイアンパンケーキの専門店が出来たんやって」 「…………は?」 個室に連れ込まれて何をされるのかと身構えて壁にへばりついていた俺に、先輩がにこやかな笑顔で何気ない会話を始める。 「ヒロ、甘いもん好きやん? 行きたいとか思わん?」 「そりゃ、まぁ……」 「パンケーキの上にアイス、生クリーム、フルーツがたっぷり乗っとって、今話題の店なんやて」 「マジっすか!」 甘い物! 甘い物は大好きっす! パンケーキの上に飾られた生クリームやフルーツを想像しただけで涎が垂れそうだ。 幸せそうな顔をしているであろう俺に、先輩は「今度の休みに連れてったるよ」と満面の笑みを浮かべている。 え、それってデートの誘いって事? でもさ、それくらいならこそこそしないで普通に話しても良さそうなのに。 普通じゃないのがこの人だった。 「ヒロが食べたいの、何でも奢ったるよ? せやから、俺のお願い聞いてくれるよなぁ?」 ほら! 嫌な予感しかしないんすけどぉぉぉ! .
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