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「スペシャルパンケーキ……」
グラグラと心が揺れる俺に、先輩が更に畳み掛ける。
「スペシャルパンケーキはフルーツも生クリームも特盛やねん。朝から並んでも食われへんくらいなんやで?」
「特盛フルーツ……生クリーム……」
「一生忘れられへんくらいの美味さやって、雑誌にも紹介されとったな」
「雑誌にも……!」
これで心が揺れない人なんて居ますか?
いえ、居ません。
「俺は……何をしたら……」
折れました、ポッキリと。
だってスペシャルパンケーキだよ?
全てがスペシャルなパンケーキだよ!?
そんなの普通なら、一生食べられないからね!
「そんなビビらんでもえぇって。何も難しい事さす訳やないから」
「マジっすか!? 信じていいんすよね!?」
「もちろんやん、大好きなヒロに意地悪なんてせぇへんよ」
俺は学習した筈だったんだよな。
この人の言葉は簡単に信じちゃいけないって。
うわぁ~~! 俺のバカぁ~~!
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