女詩会

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『それが夢であったなら』 目を閉じてしまったのは 光が眩しかったからじゃない 夢見たような未来など ないと知るのが怖かった 心のずっと奥底に 留めておこうと 隠しておこうと 宝物のようにそっと優しく 大切にしていたこの想いを どうして口にしてしまったのか 言うべきではなかったなどと そう思ってももう遅い 目を閉じる前に見た あなたのその穏やかな瞳が 今自分をどう映しているのか それを知るのが怖かった 秘めた想いを明かしたことが 夢であったら良かったと 役に立たない後悔で 心は重く 瞼も重く 目を開けることができないのは 夢にしてしまいたかったから  
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