再会と決別編

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結局話し合いはここで終わり授業に戻ってしまう。先生を含む全員がもどかしい気持ちで一杯の中、時間だけが進んでいた。 ーー 放課後~ 帰りはいつの間にか悠二ではなく東寺と一緒になっていた。東寺は話題を勝手に作ってくれるため重い空気にはならない。 あたしを心配させないためなのか精一杯笑わせようとしてくる。この時間も案外悪くないようになっていた。 「ーーじゃあねふみちゃん!また明日…」 「送ってくれてどーも。またね」 「あっ……あのさ…」 夕暮れのせいか東寺の顔が赤く見える。珍しくモジモジしている東寺を見て違和感を感じた。 「なに?モジモジして気持ち悪いわよ?」 「……いや、いいや!ま…また明日!!」 「なにそれ?」 東寺は逃げるように帰っていった。東寺の気持ちに気付いていない文乃は変な東寺としか思わない。 とりあえず家に入り着替えたりしてから夕食の準備に取り掛かる。悠二が帰ってくるのは完全に暗くなってからだから1人で調理を進める。 音がないと寂しさを感じるためテレビを点けながら野菜を切っていた。 『何故、魔法使いが神隠しにあうのでしょうか?』 『これは未だに明らかになっておりませんね。神隠しにあった魔法使いがどこに行くかも帰ってきた事例もありませんので』 「(最近このニュースばかりやってるわね?何が起こってるんだろ?)」 考えれば修学旅行が終わってから急な増え始めた神隠しのニュースが格段と多くなった。 そんなことを気にしながら調理を進めて完成させる。後は悠二が帰ってくるのを待っていた。 ガチャ~ 夜七時を回ったところで悠二が帰って来る。いつも難しそうな顔をして帰って来る悠二を普段通り迎える。 「おかえり、ちゃんと授業出なさいよね?」 「…ただいま。ああ、明日は出れるようにするよ」
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