再会と決別編

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夕菜以外が実践相手になり空気中の水分から氷を作る魔法、川の水を使い氷塊で攻撃する魔法、とにかく色々試していく。 お昼まで自分たちで鍛錬を重ねたが悠二も先生も来ない。お弁当を持ってきていなかったため鍛錬を一時中断する。 「2人とも来ないし腹も減るしー」 「どうしましょうか?一度学校に戻りますか?」 「それがいい……と思う……」 「そうですね、先輩方あたしの鍛錬に付き合ってくれてありがとうごさーーーあの人…誰かの知り合いですか?」 学校へ戻ろうとしている中、夕菜が橋の上でこちらを見ている女性を見つける。文乃以外の一同は違和感を感じた。 「あれ…誰かに似てるような気がするっけ?」 「あの髪の色もふみちゃんに似てるような?」 ーー 一方学校での仕事が終わらずに河川敷へ向かえない松尾も違和感…と言うより圧倒的な魔力が学校まで届いていることに気づく。 「なんやこの寒気がする程の魔力は!?先生方急いで行かなあかんですよ!!!」 「本当だ…何だこの魔力!?」 「ああ、急ごう!」 職員室にいた松尾は周りの教員たちに呼びかける。数人はすぐに立ち上がったが他の教員たちは席を立たない。 「なにしとるんや!!?みんな行かな勝てん相手かもしれんやぞ!!!」 「む、無理ですよ…この魔力もしかして校長レベルあるんじゃ…」 立ち上がらなかった教員たちは怖気付いていたのだ。そんなのを気にしている時間は無く一刻も早く行かなければいけない事を松尾は理解していた。 「このアホが!!!!!教員が動かないで誰が生徒を護れるんやボケェ!!!!!」 松尾と立ち上がった数人は魔力を感じた河川敷へと飛んで行った。気圧された他の教員たちは動くことができずにただ呆然としていた。 ーー 一同は女性を見ていた。ただじっと見てくる女性と見つめ会う形で。そして1人だけが顔の色を変えていく。 それもそうだ…消えたはずの女性がそこに立っていたのだから。 「お…………お、お母さんっ!!!!!!!!!!!」
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