はじまり…

3/7
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
それから数日後、俺はすっかり男の子たちが話してたことなんて忘れていた。 営業の仕事も一段落し、今はほとんどデスクワークになり、今度は資料まとめなどに追われていた。 毎日毎日残業で、帰ってきたら何もする気がなくなるほど疲れていた。 この日も、帰宅と同時にベッドへと倒れこんだのだった。 はぁ…、疲れた。 たまにはこんな生活から離れてのんびりしたいぜ…! そう思ったのがまずかったのか…。 チャラララーン♪ 携帯のメール受信音がする。 携帯を見ると、アドレス欄が空白だった。 「なんだ、これ?」 思わず呟く。 【おめでとうございます!この度、あなたを異世界へご招待することになりました!この機会にぜひどうぞ!】 メールを開くとそう書かれていた。 その下に 【異世界への扉はこの先】 と書かれていて、その更に下にURLが表示されていた。 なんだこれ? 一瞬戸惑ったが、ふと、数日前に公園で聞いた小学生の会話を思い出す。 あぁ、なんか異世界に行けるとかってやつか… ほんの出来心だった。 あの噂を信じてたわけではなかったが、もし本当に異世界に行けるなら面白いな?程度だった。 一瞬ためらったものの、URLをクリックする。 途端に画面が光りだした。 あまりの眩しさに思わず目を閉じる。 光が徐々に消えていくのを感じ、ゆっくりと目を開けた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!