116人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
アイツを初めて見たとき、自分たち以外は全て、時間が止まったように思えた。
用事があって訪れた母校。何気なしに、懐かしい部活を覗いた。
そこにいた、アイツ。まだ、高校生になったばかりの、幼い感じのアイツ。
まさか、そんな年下に。しかも男に自分が惹かれるなんて。
でも、そんな戸惑いも、アイツがTシャツを脱いでプールに飛び込んだ瞬間に、吹き飛んだ。
滑らかに、流れるように。コースを泳いでいくアイツ。
もう、目が、離せなかった。
凄い興奮して、まるで初恋かってくらい真っ赤になって。
俺は、誰にも声をかけることなく、その場から離れた。
俺は、悟った。
今まで、恋愛に対して、いまいち真剣になれなかったのは、アイツに会えてなかったから。
アイツが、俺の運命の相手なんだって。
だけど、恋愛に対して淡白だった俺は、この先どうしていったらいいか分からないヘタレで。
結局、アイツに会いに行くまで、1年を有した。
最初のコメントを投稿しよう!