始まり

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アイツを初めて見たとき、自分たち以外は全て、時間が止まったように思えた。 用事があって訪れた母校。何気なしに、懐かしい部活を覗いた。 そこにいた、アイツ。まだ、高校生になったばかりの、幼い感じのアイツ。 まさか、そんな年下に。しかも男に自分が惹かれるなんて。 でも、そんな戸惑いも、アイツがTシャツを脱いでプールに飛び込んだ瞬間に、吹き飛んだ。 滑らかに、流れるように。コースを泳いでいくアイツ。 もう、目が、離せなかった。 凄い興奮して、まるで初恋かってくらい真っ赤になって。 俺は、誰にも声をかけることなく、その場から離れた。 俺は、悟った。 今まで、恋愛に対して、いまいち真剣になれなかったのは、アイツに会えてなかったから。 アイツが、俺の運命の相手なんだって。 だけど、恋愛に対して淡白だった俺は、この先どうしていったらいいか分からないヘタレで。 結局、アイツに会いに行くまで、1年を有した。
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