第1章

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乗り換え駅で、俺は来ていた電車に飛び乗った。 その駅では美味しいラーメン屋が有名で、朝から何も食べていない俺のすきっ腹には嬉しい替え玉もあった。 でも、家に帰れば妻の裕美がメシを作って待っているんだろう。 早く帰ってやりたいし、娘の梨花にも早く会いたい。 電車のドアが閉まると、メールが来ていることに気が付いた。 乗り換えしていて慌てていたせいか、気が付かなかった。 『今日は梨花を連れて実家に行くから、ご飯ないよ』 その一文を見た瞬間、俺の空腹の腹が勢いよく鳴った。 家にはカップ麺一個たりともない。 近所から車を10分程度走らせないとコンビニだってない、田舎なのに。 俺のメシは一体どうしたら良いんだ。 何を食って飢えを凌げばいい。 帰りの電車の中で俺は必死に考え過ぎて、戻ってラーメンを食べるという事を忘れてしまう程だった。
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