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《追試…それに落ちたら、俺は…赤点だ。》
俺は現代文が大の苦手で、常にど底辺にいたが…。
21点なんて初めてとった。
まぁ、確かに苦手なのをわかってて全く手をつけなかった俺が悪いんだよな。
「すみませんっ!死ぬほど復習するので許してください…!」
まぁ、どうせ無理だろうが俺は田中先生に大きく頭を下げた。
「ほほーう…[死ぬほど]だと?いい気合だな。」
「え"!?」
呆れらるかと思えば田中先生は微笑んでいる。
いつも目つきが悪くて怖いのに、今はだらしなく緩んだ顔をしてる。
「お前…ほんと色素が薄いよなぁ…」
そういうと田中先生は俺の頭をぐしゃぐしゃと弄った。
「やめてくださいよ…地毛だって言ってるでしょ」
「わかってるさ…でな、今回の追試に向けての救いの手を用意したんだ。」
「なんですかそれ!?」
1度フフッと不敵な笑みを浮かべ、
田中先生は教室の奥にあるカーテンを開けた。
「これが…お前の救世主だ!」
カーテンの先に居たのは…
サラサラの黒髪に凛々しい眉毛、しかし華奢な体格をした…男子生徒だった。
「誰ですかこいつ」
俺は全くこいつに見覚えがなかった。
俺と同じ制服、同じ学年カラーの上履きを履いているのにだ。
「こいつ呼ばわりとはなんて失礼な!なぁ?浅井?」
「浅井…?」
こいつの名前なのか!?
「先生…騒ぎすぎです。もう少し静かにしてください」
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