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田中先生のにぎやかさを迷惑そうに眺めている。
俺はそんな"浅井"を一目見て
《羨ましい》
と思ってしまった。
色素が薄い俺なんかとは違う、凛とした浅井。
「ではな、今回のお前の追試のために浅井に勉強を見てもらうように頼んだんだ」
「え!?そんな急に」
「でも浅井は快く引き受けてくれたぞ?なぁ、浅井?」
「はい。留年してしまうのは可哀想なので。」
《俺、同情されちゃってる!》
「よし!毎朝7時に登校して、浅井にとことん指導してもらえ!
なにしろ浅井は学年一位の成績を誇っているんだからな」
「田中先生、やめてくださいよ。彼が可哀想です。」
浅井が同情したのか俺の方をポンポンと叩いた。
「お、俺は可哀想なんかじゃねーし」
俺はムカついたから優しく微笑む浅井の肩を突き飛ばした。
「まぁ、あれだ。これから2人で仲良くやってくれよ!じゃあな!」
「はぁ!?」
ちょっと…田中先生無責任すぎだろ!
この空気で2人きりとか…気まずいだろ。
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