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そんな良さげなにほひを振り撒く男子が
人気馬じゃなか訳がなかと。
あー、倉内翔のにほひが嗅ぎたいでありんす。
ボケっとしていたからだろうか
知りませんでした。
「そんなに嗅ぎたきゃ死ぬほど嗅がしてやるよ」
「ひっぃっ!」
後ろで響く抑圧音。
振り向かなくても私を、パソコンを
大きな影が覆っていて
そこから、ごぉぉぉぉぉ、と這ってきそうな
沸き上がる威圧オーラが……
私の足を掴み
身体をピン、と伸ばさせて
しかもなっがい長い前髪がブルブルと震え上がった。
「な、な、な、何故……
なぜここここ、ここにっ」
振り向けにゃいっ!
ふふふふ
振り向けにゃいっぃぃぃぃぃ!
く、倉内翔は私の彼氏ですが、っ(てへっ)
仕事には鬼よりも厳しく
ヒルよりもしつこく
「就業中に余裕ぶっこいてんだなぁ、」
バス!と右肩に圧力!
「ひょぅっっっ」
いた、いた
いたいたいたいたイタイ!
「え?イモ子……」
倉内翔は
倉内翔は
つい3日前に
‘じゃあな、ももこ、イイコでまってろよ?(ハート)’
的な感じで大阪へ出向いて行ったんれっスよ!
「な、何故、かけるひゃ、んっ」
グイと握られた肩は
血流の滞りが一瞬にして流れていくようなくらい
素晴らしい揉み心地で
思わず目の前のパソコンがユラリと揺れた。
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