Round No.1

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「な、ももこ ……寝よう……?」 トロンとしたいつもからは考えられないような 舌っ足らずな喋り方に、ズッキュン、とワンパンチを喰らい 「じゃないと、また、…… 収まりキカナクなっちゃうから、さ……」 ももこ、と呼ばれて キュウと抱っこされて 口から、耳から、鼻から 精気が飛び出しそうになった。 やっぱり倉内翔は私の寿命を吸っている。 だけど、この瞬間も 私に嫌がる要素は何一つナクて どちらかと言うと 悶。 「……吸いとられたのは、オレ、……」 眠りと現(ウツツ)の境に居たらしい倉内翔は 全身全霊でそう言った後 すぅすぅと寝息を立て始めた。 どんなに疲れたんだろうか 絶える事がナイ、と思っていた倉内翔が こんなに易々とバタンQになるなんて。 わたしわたしが、わたしが絶倫! ヤハハハハハハ。 そんな興奮気味な私だったが 間もなく夢のクニへ旅立ったようだ。 眩しさに瞼を開けた時にはもう倉内翔は 跡形もなく姿を消していて 「……あ、れ、れ」 気配すらなかった。 周りを見回して一枚の書き置きを見つける。
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